ハワイ産の遺伝子組み換えパパイヤの論争が続く中、2011年12月1日の規制クリヤーを受けて、12月中旬から米国資本のコストコ・ジャパンにて、ハワイ産GM(遺伝子組み換え)パパイヤの販売を開始しました。
「レインボー」という品種のパパイヤで、GMOs(遺伝子組換え生物)に関する厳しい法規制を持つ日本で販売される唯一の遺伝子組換え果実となりました。
レインボーパパイヤは1998年に(米国で)商業販売が開始されました。その背景には1990年代頃のハワイで広まったリングスポットというウイルスの影響があります。
リングスポットというウイルスがパパイヤに感染すると、果実にはっきりとした輪点(リングスポット)ができます。また、茎の生育が遅くなり、葉にモザイク症状や白化症状が出、果実の肥大が悪化し、糖度や収量が低下するなどの症状が現れます。そうなると作物として流通することは不可能になり、ハワイのパパイヤ果樹園は一気に荒廃し、パパイヤ産業は崩壊寸前にまで追い込まれました。
米国農務省の科学者Dennis Gonsalvesは、植物の免疫機構を発現させるよう、パパイヤの遺伝子構造を組み換えました。遺伝子組換えされた植物はウイルスによる病気にはなりません。
そして、今や、レインボーパパイヤがハワイのパパイヤの80%を占めるようになりました。
GMOs(遺伝子組換え生物)に関する議論は”食べても安全かどうか”に主眼がおかれます。しかし、バイオ・ノーマライザーの開発者・大里 章 博士は食品としての安全性はもちろんのこと、“自然の生命力が満ちているかどうか”ということも重視しています。
日本の沖縄、宮崎などでは魚粉等を肥料に土壌改良し、病気にならないようにハウス栽培したパパイヤの研究も進んでいます。味も良く、栄養価も問題ないと聞きます。しかし、世界中のパパイヤを研究した大里 章 博士が選んだのは、フィリピンはパタンガス州のパパイヤにたどり着きました。
それは、赤道に近い南国の照りつける日差しに負けぬように育つパパイヤこそ生命力が最も高いという結論に至ったからです。
食物の生命力を化学的に数値化するのは難しいかもしれませんが、なにごとも挑戦と始めたのがバイオ・ノーマライザーの自社実験農場での研究です。広さは1.5ha。あまり広くないように聞こえるかもしれませんが、農林水産省の平成20年度「特産果樹生産出荷実績調査」における「パパイヤの栽培面積及び収穫量」によると、宮崎県の栽培面積は2.3haなので、その65.2%に値します。
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栽培面積(ha) |
収穫量(t) |
沖縄 |
11.3 |
102.9 |
鹿児島 |
10.5 |
45.5 |
宮崎 |
2.3 |
58.8 |
計 |
24.1 |
207.1 |